うつ病 予防、改善の食事

2021年06月16日 22:18

うつ病 予防改善の食事

うつ病予防 食事

◎うつ病の予防につながる食事とは
食事をしても味がしない、大好物だった食べ物なのに箸が進まない…。こうした変調が、内臓の疾患に起因するものではなくて、うつ病の兆候を示すサインになっていることがあります。さて、うつ病と食生活にはどのような関係があるのでしょうか。うつ病の予防につながる食べ物があるとすれば、それはどんな食べ物なのでしょうか。普段の食生活でどのようなことに注意すればいいのでしょうか。

うつの症状が重くなると食事が楽しくなくなる
うつ病の入院患者には
食欲のない人が少なくないそうです。好きなものを食べてください」と言われても、食欲が湧いてこないというのです。うつの症状が重くなると食事が楽しくなくなるといわれていますが、実際その通り。そうした患者さんも治療が進み、回復に向かうにつれて、次第に食欲が出て来るそうです。

血糖値を乱高下させず、タンパク質を摂取する
うつ病は、脳が過度に疲労することから起きるとされています。「何も食べる気がしない」という状態も、脳の疲労が引き起こしているといえます。それでは、脳の疲労を取り除き、脳細胞を働かせるためにはどんな食べ物がいいのでしょうか。
脳細胞を働かせるためには、糖質が必要です。しかし食後に血糖値が急激に上昇して、その後急激に落ちて低血糖状態になると、「憂鬱な気分になる」とか、「眠くて頭がぼーっとする」とか、うつ状態でよく見られる症状に陥ることがあるのです。したがって、うつ病の予防のため、あるいはうつの症状改善のためには、血糖値を乱高下させない食事、血糖値が緩やかに上昇して緩やかに下降する食事が望ましいと言えます。具体的にどのような食べ物かというと、白米よりは雑穀米や玄米、精製された食パンよりは全粒粉パン、ジャガイモよりはサツマイモの方が血糖値の変化は緩やかです。
また、脳内の神経伝達物質を生成するタンパク質を摂取することも大事。牛乳やチーズ、豆類、納豆、豆腐はタンパク質と脂肪分、炭水化物のバランスが良く、肉類では鶏肉が脂肪分が比較的少なく、効率よくタンパク質を摂取できます。
必要な栄養素を摂取できるバランスの良い食事が望ましいです。

「味わいながら食べる」ことを習慣づける
うつ病の予防や症状改善のために、どのような食べ方が望ましいか。口に入れる前に食べ物をよく見て香りを味わう、一気に食べずに少量ずつ食べ物を口に運ぶ、一品ずつ口に入れて味を確認しながら食べる…。そうやって、「味わいながら食べる」ことを習慣づけるのです。こうした食べ方が消化のために良いことは言うまでもありません。それだけでなく、ストレスに対する耐性を養うことにつながると考えています。

ゆっくり一口ずつ
複数のおかずがあるときに、どの順番で食べるかということも大事。糖尿病患者の場合は血糖値の急激な上昇を抑えるために野菜を先に食べるほうがいいのですが、うつ病患者の場合は先に肉や魚などを食べる。うつの症状の人はタンパク質をちゃんと摂らなければなりませんが、食欲不振で小食になりがち。他の食べ物でおなかいっぱいになる前に肉や魚などでタンパク質を摂取することを優先するのです。
「食事をするとき、、やってはいけない3つの習慣」があります。それは、①1人で、スマホを見ながら食事すること②1人で、パソコンの画面を見ながら食事すること③1人で、オフィスの机の上で食事すること―の3つ。こんな食べ方をしていたら「味わいながら食べる」ことになりません。これは入院患者向けの話ではありません。、仕事が忙しくて、ついついそんな食べ方をしているという人はいませんか。うつ病予防のためにも、自分の食習慣を見直してみましょう。

今回のまとめ
* 
食事が美味しくないと感じたら要注意


血糖値が乱高下するようなメニューは控える


「◯◯しながら」の食事習慣を見直す


一口ずつ味わい食事を楽しむ事が重要

https://utsutori.jp/prevent/vol3
引用
管理栄養士:坂井 純子(不知火病院 栄養科長)

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