うつ病への予防策

2021年06月13日 00:30

ゆううつな気分」は誰もが経験しますが「 “普通”のゆううつ」と「うつ病」を区別するポイントは、「落ち込んだ状態がどの程度か、またはどのくらい長く続くか」です。

日常の仕事や生活に支障がある程度か、2週間以上続くようであれば、うつ病を疑うのが一般的です。早朝に目が覚める、食欲がなくなる、頭が重い、体がだるい、などの身体症状が特に前景に現れていることもあります。

生活に支障が出るほどなら心療内科や精神科を受診しましょう。

それでも、落ち込みがひどい、眠れない、などの症状が続いている時は、次のセルフチェックで自分自身の状態を客観的にみてみましょう。

セルフチェック
回答が(1)または(2)の時は「0点」、(3)または(4)の時は「1点」として合計してください。
合計が2~3点の方は要注意、4点以上の方は病気の可能性があります。

1 何かをする時いつもより集中して
(1)できた
(2)いつもと変わらなかった
(3)いつもよりできなかった
(4)全くできなかった
2 心配事があり、よく眠れないようなことが
(1)全くなかった
(2)あまりなかった
(3)あった
(4)たびたびあった
3 いつもより自分のしていることに生きがいを感じることが
(1)あった
(2)いつもと変わらなかった
(3)なかった
(4)全くなかった
4 いつもより容易に物事を決めることが
(1)できた
(2)いつもと変わらなかった
(3)できなかった
(4)全くできなかった
5 いつもストレスを感じたことが
(1)全くなかった
(2)あまりなかった
(3)あった
(4)たびたびあった
6 問題を解決できなくて困ったことが
(1)全くなかった
(2)あまりなかった
(3)あった
(4)たびたびあった
7 いつもより日常生活を楽しく送ることが
(1)できた
(2)いつもと変わらなかった
(3)できなかった
(4)全くできなかった
8 いつもより問題があった時に積極的に解決しようとすることが
(1)できた
(2)いつもと変わらなかった
(3)できなかった
(4)全くできなかった
9 いつもより気が重くて憂鬱になることは
(1)全くなかった
(2)いつもと変わらなかった
(3)あった
(4)たびたびあった
10 自信を失ったことは
(1)全くなかった
(2)あまりなかった
(3)あった
(4)たびたびあった
11 自分は役に立たない人間だと考えたことは
(1)全くなかった
(2)あまりなかった
(3)あった
(4)たびたびあった
12 一般的に見て幸せといつもより感じたことは
(1)たびたびあった
(2)あった
(3)なかった
(4)全くなかった
田純久、柴田義貞、 中根允文 GHQ-12項目質問紙を用いた精神医学的障害のスクリーニング 厚生の指標 第 48巻第10号2001年9月

このセルフチェック表はうつ病だけではなく、適応障害や不安障害といった、うつ病に近いこころの病気をみつけるのにも適しています。もし、4点以上であれば心身がSOSを出しているのかもしれません。

とはいえ、すぐに病院を受診するのはハードルが高いもの。
生活に影響するほど抑うつ症状が強い時は、お薬を使った治療法をお勧めしますが、早期や軽症ならば認知行動療法などの精神療法だけでもお薬に匹敵する効果が期待できます。

そこで、自分でできる方法をご紹介します。

セルフモニタリングは精神療法の基礎になる行動療法の一つです。やり方は簡単。まず、1週間の予定が書き込める手帳を用意します。できれば1日のタイムスケジュール付きが便利です。

普段は予定管理のために使いますが、この手帳の用途はその日の行動や思考・感情を客観的に記録するためです。

たとえば、「今朝の目覚めは良かったから100点!」とか、「朝ご飯の時に家族とけんかをして落ち込んだので30点」など、気分の状態を0~100点で評価していきます。

いわば、こころの基礎体温表のようなもの。続けることで、落ち込みの原因や自分の考え方のクセに気づくことができます。

セルフモニタリングで明らかになった落ち込み原因への対処法には大きく2つの方向があります。

「セルフモニタリング」で落ち込みの原因を探る
(1)原因となった問題に向き合い、対策を取ること
例:嫌な上司にこちらから話しかける

(2)原因によって生じた「イヤな気分」を解消するために、楽観的に考える、友人に愚痴を聞いてもらう、気晴らしをするなどの行動をとる
(2)原因によって生じた「イヤな気分」を解消するために、楽観的に考える、友人に愚痴を聞いてもらう、気晴らしをするなどの行動をとる
例:嫌な上司はそのうち異動するだろうと考え、友人とカラオケなどで発散

どちらが良い悪いということはありません。
上手くいかない時は、他の方法をとるなど、(1)と(2)を適当に使い分けて対処するのがおすすめです。


私の休職までの流れはこちら

https://youtu.be/hRN7lYs66vM

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